カウンセリング効果を現役カウンセラーが本音を語る

2024年2月26日カウンセラーになるための基礎知識

【カウンセリングは本当に効果があるのか?】

これからお話する内容はもしかしたら、同業者のカウンセラーの方たちから大ブーイングを起こしてしまう内容になるかもしれません(笑)

それくらいの覚悟を持って「カウンセリング効果」について本音を語っていきます。

しかし、カウンセリングを受けてみようと検討されている方や心理カウンセラーやセラピストとして開業を目指されている方にはこの記事内容は非常に興味深いのではないでしょうか。

カウンセリングを受ける側は、実際にカウンセリングを受けられてまったく効果がなければ時間とお金と労力が無駄になってしまい無意味と感じるでしょう。

ときには絶望や失望を感じられて、これからの人生前向きに生きれなくなってしまうかもしれない心理状態になることも考えられます。

今まで私のところにご相談に来られたクライアントさんの中には、数人の心理カウンセラーやセラピストのところをはしごして、わらおもつかむ思いで来られる方も少なくありません。

そういった方からよく以下のように言われることが多々あります。

「他社で数件受けても改善しなかったので、わらおもつかむ思いで来ました」

「杉田さんのところで受けてみてもしダメだったら、諦めようと思っていたんです」

こういった言葉を聞くたびにこれが現在の日本のカウンセリング業界の現実か、と私はいつも感じていました。

正直言って、私だってたまに苦戦したり、回数がどうしてもかかってしまうクライアントさんもおられるのも現実です。

これはどこの職業の世界もそうだと思うんですけど、いかに名医と言われるお医者さんでも100%は存在しないんじゃないですかね???

しかし、100%にどれだけ近づけるか・・・。

その日々の努力と研究心が我々人間にとって大切なことなのかもしれませんね。

 

カウンセリングの技法は大切

私はカウンセリングの技法に対してこうみています。

心のオペ(心理療法)を効果的に進めていくためには、絶対的に必要な技法だと思っています。

▼心のオペ(心理療法)についてわかりやすく解説している記事をご用意していますのでご覧になってみてください。

心のオペ(心理療法)の素晴らしさ

なぜかというと、カウンセリングの技法はコミュニケーション能力に絶対に欠かせない重要な技術があるからです。

この技術については、「カウンセリングの基礎」といった記事をこれから書いていく予定ですのでそのときに詳しく述べていきますね。

余談ですが、私は年に何回か夫婦関係のご相談を受けることがあります。

その中でも多いのが、40代から50代のご夫婦で「離婚するのか?離婚しないのか?」といったいったご相談内容です。

双方のお話を聞いてみるとほとんどが、夫婦間のコミュニケーション不足からきていることが多いです。

特に多いのが夫が妻の話を聞いてくれない。

この不満が間違いなくある可能性が高いです。

しかし、夫は妻の話は聞いていると言い、妻は夫は聞いていないという・・・

これは一体どういうことなのか?

夫は妻の話は聞いているが、肝心な部分を見逃しているということです。

この肝心な部分というところがカウンセリング技法の一つにあります。

その肝心なところを旦那さんに伝授して、実際にやってもらうことによって夫婦関係が良くなっていった例もあるくらいです。

それくらいカウンセリングの技法の中には信頼関係を築いていける技術が存在しているのも事実です。

しかし、カウンセリングの技法だけでは根深い心の問題に対して、満足いく結果を出すのは非常に難しい。

それも事実です。

 

カウンセリング技法の効果

カウンセリングの技法だけでどれくらいのレベルの心の問題に対して効果が上がるのか?

カウンセリングにご興味ある方は、この内容はこの記事の中で一番読みたい内容かもしれませんね。ですから、正直に真実をそのままお伝えします。

カウンセリングの技法はちょっとしたストレスを溜めてしまったクライアントさんに対しては、心のモヤモヤを言葉として表現することによって、カウンセラーはしっかりと話を聞いてくれて理解しようとしてくれるのでそれだけでも心のモヤモヤが晴れてスッキリすることがあります。

この程度であればカウンセリングの技法は、かなりの効果を発揮してくれます。

それをふまえて上で私はこう結論を出しました。

表面上の悩みだけであればカウンセリングだけでも十分効果を発揮する

ところが、心の深い部分の悩みとなってくるとカウンセリングの技術だけでは、数年かかるか又はその場でスッキリしても数日もするとすぐに元に戻ってしまうのが現実です。

下手をするとカウンセリングを長い期間、継続的に受け続けなけれならない状況に陥ってしまう可能性もあります。

 

カウンセリング技法の特徴

その一つの理由としてカウンセリング技法の特徴にあります。

この技法は表面から入っていってゆっくりとゆっくりとスローペースで表面の皮を一枚一枚クライアントさんの許可を得ながら、剥いでいくみたいなイメージだと想像していただければいいです。

ですから、心の問題を解決していくための真実に近づくまでにかなりの時間を要することになります。

これでは何百万単位のお金と時間がかかってしまいます。

たとえると家をリフォームするときもし家を支えている柱の中がシロアリにやられてしまって腐っていたとします。

しかし、依頼人である一人暮らしのおばあちゃんはそこまで柱の状態が酷いとはこれっぽちも思ってもいません。

この柱を新品の柱と交換するとなると手間も時間もお金もかかるため、悪徳施工業者はすでにお金をもらっているため、その柱の表面だけを上手く細工してきれいにして新しい柱に見せかけてしまったのです。

おばあちゃんは、その柱の表面がとてもきれいになっていたので、それで大満足していました。

ところが数か月後に震度4程度の地震があったときその柱の表面ははがれてしまい元の近い状態に戻ってしまった・・・。

もしかしたら、本当にこのような一人暮らしの年配の方を狙った悪徳業者が全国にはびこっているのかもしれませんね。

そうやってお金のためだけに人の弱みにつけこんでおばあちゃんを騙す。そのあとのおばあちゃんの心の痛みやダメージ、生活を考えると、よくそんな悪魔みたいなことができるのかと怒りを感じるのは皆さんも一緒でしょう・・・。

 

カウンセリング技法の限界

ここまでのお話をお聞きになられて「もしかしてカウンセリングだけでは根本的に心の問題を解決していくのは難しいのではないのか?」と疑問に思われた方も多いのではないでしょうか・・・。

先ほどお伝えした話しでさらにわかりやすくするとこのような表現になります。

カウンセリングの技法だけでは柱の表面をきれいにすることはできるけど、新品の柱に取り換える作業が非常に難しい

もちろん100%否定はしませんが、めちゃくちゃ時間とエネルギーが消費することは確かです。

今までカウンセリングを受けられて効果を感じられなかった方は、意識では気づいていない心の深い部分にピンポイントのアプローチが必要になってくると私は推測しています。

カウンセリングの技法の中にはピンポイントに心の深い部分へアプローチしていき心のオペをする技術は備わっていないと私は理論づけています。

カウンセリングの技法だけでもかなりの時間をかければ、心の深い部分へ到達することはできますが、その後どのようにアプローチしていけば心の問題を解決していくことができるのか、といった対処方法が存在しません。

したがって、心の問題を根本解決することは不向きであるという結論です。

残念ながらこれがカウンセリング技法の限界ということですね。

これからカウンセラーやセラピストを目指されている方も、こういった知識を知っておくと今後の役に立つかもしれませんね。

 

カウンセリング効果の結論

これまでカウンセリングの効果について私なりに本音を語ってきました。

そのカウンセリング効果をまとめると以下のようになります。

カウンセリング技法=顕在意識へのアプローチは向いている

カウンセリングの技法=潜在意識へのアプローチは不向き

潜在意識(深層部)へのアプローチが苦手であるから、心の問題を根本的に解決していくことは非常に難しいということですね。

 

潜在意識へのアプローチとは?

潜在意識へのアプローチとは簡単に説明すると、ちょっとしたフラッシュバックなどもそれにあたります。

今まで比較的良い気分で居られたのに過去の不快な記憶が日常生活の中で容赦なく甦ってきて、いきなり不快な気分にさせられる。

その記憶が不快であればあるほど、平常心を保つことが困難になってしまって、ときには動悸がしたり、過呼吸になってしまったりして意識ではまったくコントロールすることができなくなってしまう。

その結果、仕事や日常生活までも支障をきたしてしまいます。

このときにその不快な記憶が永遠に甦ってこなければ、めでたくこの悩みはなくなります。

しかし、意識的に「この記憶はもう忘れるんだ」「この記憶はもう一切思い出さないことに決めた」と心で強く思ってもまたその記憶が無意識のうちに甦ってしまう・・・。

このように意識ではコントロールすることが困難な悩みは潜在意識(深層部)へのアプローチが絶対的に必要になってきます。

 

顕在意識へのアプローチとは

顕在意識(表面的)へのアプローチとはどういったことなのかをまとめてみました。

カウンセリングの技法は、表面的な悩みなどは効果を十分に発揮することができる。

表面的な悩みをわかりやすくご説明すると、心の中にためこんでいるイライラや怒り、悲しみ、不安、恐怖心などを言語化して表現することにより、心のモヤモヤが解放されて、安堵感を得られる。

よくおばちゃんたちが井戸端会議をしているときに人の悪口を言って自らの心がスッキリして心のモヤモヤがリセットされていくみたいなイメージを想像していただければ、理解しやすいかもしれません。

これを心理学ではカタルシス効果と呼んでいます。

あるいは心の浄化作用とも表現されています。

この悩みのレベルであれば、カウンセリング技法だけでも効果は期待できます。

以上がカウンセリングの効果について私なりに簡単ですがお伝えしてきましたが、カウンセリング技法がどういったことに効果があり、どういったことが苦手なのかをわかっていただければ幸いです。


開業資金の内訳や開業に必要なことが書いているページがありますのでご興味のあるかたはこちらのページも参考にしてみてください。

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記事の担当者

この記事は代表の杉田義晴が長年のカウンセリング・セラピー経験と実績を元にして書いています。
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