傾聴カウンセリングの効果と限界を現役カウンセラーが暴く

2025年4月18日カウンセラーになるための基礎知識

傾聴カウンセリングの効果と限界

 

これからお話する内容はもしかしたら、同業者のカウンセラーの方たちから大ブーイングを起こしてしまう内容になるかもしれません(笑)

それくらいの覚悟を持って「傾聴カウンセリングの効果と限界」について本音を語っていきます。

今まで私のところにご相談に来られたクライアントさんの中には、数人の心理カウンセラーやセラピストのところをはしごして、わらおもつかむ思いで来られる方も少なくありません。

そういった方からよく以下のように言われることが多々あります。

「他社で数件受けても改善しなかったので、わらおもつかむ想いで来ました」

「杉田さんのところで受けてみてもしダメだったら、諦めようと思っていたんです」

正直言って、私だってたまに苦戦したり、回数がどうしてもかかってしまうクライアントさんもおられるのも現実です。

 

傾聴カウンセリングの効果とメリット

傾聴カウンセリングの技法は、コミュニケーションスキルに絶対に欠かせない重要な技術があると思っています。

余談ですが、私は年に何回か夫婦関係のご相談を受けることがあります。

その中でも多いのが、40代から50代のご夫婦で「離婚するのか?離婚しないのか?」といったいったご相談内容です。

双方のお話を聞いてみるとほとんどが、夫婦間のコミュニケーション不足からきていることが多いです。

特に多いのが夫が妻の話を聞いてくれない。

この不満がある可能性が高いです。

しかし、夫は妻の話は聞いていると言い、妻は夫は聞いていないという・・・

これは一体どういうことなのか?

夫は妻の話は聞いているが、肝心な部分を見逃しているということです。

この肝心な部分というところがカウンセリング技法の一つです

その肝心なところを旦那さんに気づいてもらい、実際にやってもらうことによって夫婦関係が良くなっていった例もあるくらいです。

それくらいカウンセリングの技法の中には信頼関係を築いていける技術が存在しているのも事実です。

 

傾聴カウンセリング技法の効果

傾聴カウンセリングの効果

 

カウンセリングの技法だけでどれくらいのレベルの心の問題に対して効果が上がるのか?

カウンセリングにご興味ある方は、この内容はこの記事の中で一番読みたい内容かもしれませんね。ですから、正直に真実をそのままお伝えします。

カウンセリングの技法はちょっとしたストレスを溜めてしまったクライアントさんに対しては、心のモヤモヤを言葉として表現することによって、カウンセラーはしっかりと話を聞いてくれて理解し共感しようとしてくれるのでそれだけでも心のモヤモヤが晴れてスッキリすることがあります。

この程度であればカウンセリングの技法は、かなりの効果を発揮してくれます。

それをふまえて上で私はこう結論を出しました。

一時的又は表面上の悩みだけであれば傾聴カウンセリングだけでも十分効果を発揮する

 

Point

表面的な悩みをわかりやすくご説明すると、心の中にためこんでいるイライラや怒り、悲しみ、不安、恐怖心などを言語化して表現することにより、心のモヤモヤが解放されて、安堵感を得られる。

よくおばちゃんたちが井戸端会議をして自らの心がスッキリして心のモヤモヤがリセットされていくみたいなイメージですね。

これを心理学ではカタルシス効果と呼んでいます。

あるいは心の浄化作用とも表現されています。

この悩みのレベルであれば、傾聴カウンセリング技法だけでも効果は期待できる

 

傾聴カウンセリングの比喩

たとえると家をリフォームするときもし家を支えている柱の中がかなりシロアリにやられてしまって腐っていたとします。

しかし、依頼人である一人暮らしのおばあちゃんはそこまで柱の状態が酷いとはこれっぽちも思ってもいません。

この柱を新品の柱と交換するとなると手間も時間もお金もかかるため、悪徳施工業者はその柱の表面だけを上手く細工してきれいにして新しい柱に見せかけてしまったのです。

おばあちゃんは、その柱の表面がとてもきれいになっていたので、それで大満足していました。

ところが数か月後に震度4程度の地震があったときその柱の表面ははがれてしまい元の近い状態に戻ってしまった・・・。

 

 

傾聴カウンセリング技法の限界

傾聴カウンセリングの限界

 

先ほどお伝えした話しでさらにわかりやすくするとこのような表現になります。

傾聴カウンセリングの技法だけでは柱の表面をきれいにすることはできるけど、新品の柱に取り換える作業が非常に難しい

もちろん100%否定はしませんが、めちゃくちゃ時間とエネルギーが消費することは確かです。

今までカウンセリングを受けられて効果を感じられなかった方は、ピンポイントに心の深い部分へアプローチができていない。

カウンセリングの技法だけでもかなりの時間をかければ、心の深い部分へ到達することはできますが、その後どのようにアプローチしていけば心の問題を解決していくことができるのか、といった対処方法が存在しません。

心の深い部分の悩みとなってくるとカウンセリングの技術だけでは、その場でスッキリしても数日もするとすぐに元に戻ってしまうのが現実です。

 

Point

傾聴カウンセリングでは根深い心の問題に対して根本解決は困難

下手をするとカウンセリングを長い期間、継続的に受け続けなけれならない状況に陥ってしまう可能性もあります。

したがって、心の問題を根本解決することは不向きであるという結論です。

残念ながらこれがカウンセリング技法の限界ということですね。

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記事の担当者
この記事は代表の杉田義晴が長年のカウンセリング・セラピー経験と実績を元にして書いています。
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