社交不安障害(対人恐怖症)カウンセリングの実例 主婦
【社交不安障害(対人恐怖症)ファイル3】
今回対人恐怖症を克服された方は、40代女性主婦の方です。
社交不安障害(対人恐怖症)ファイルシリーズでは、クライアントさんの体験談とは違った様々な角度から、カウンセラーが実体験を通して色々とお伝えしていきます。
クライアントさんの体験談とはまた違った刺激があると思います。
ですから、克服していくための大きなヒントをつかむことができるかもしれません。
クライアントさんの生の体験談には良いところがあり、このファイルには異なった良いところがあります。
メンタル心理エキスパートでは、対人恐怖症における様々な実例が豊富にありますのでご自分に合った解決法が見つかるかもしれませんよ。
※社交不安障害(対人恐怖症)ファイルシリーズは体験談を書いてくれた方の実例ですので許可は得ています。
社交不安障害(対人恐怖症)の悩みと症状
この方のお悩みと症状は、対人緊張と自己否定感が強いということでご相談に来られました。
以下は彼女が体験談で書いてくれた悩み状態です。
「私はずっと自己否定感と対人緊張に悩んでいました。人の言動に傷つき易く、いつも人から拒絶されてしまうような不安感がありました。夜になると自己嫌悪の落ち込みがひどく、動悸や胸の重苦しさで眠れないことがよくありました。」
これはカウンセリングを進めて行って明確になってきたことですが、対人恐怖症の方によくあるネガティブな思い込みが強く存在していました。
それは「自然体の自分を出したら、否定されるのではないか」といった恐れです。
この価値観は対人恐怖症で悩んでいる90%以上の方が持たれている価値観です。
こんな思い込みが強く根付いていたら、人間関係でくたくたになって疲れてきってしまうと思いませんか?
さらに身体感覚の不快感としてあったものは、いつも胸にボーリング玉のような物があって、重苦しさを感じていました。
ですから、常に緊張状態で自然体で居ることができないという悩みも抱えていました。
またストレスが溜まるとこのボーリング玉が胸で大きくなって、過呼吸を引き起こしたり、ときには腰に負担がかかり、腰の痛みも感じていたそうです。
さらに彼女は人前で何で、いつも、そんなに緊張しているのかがわからないとも言っていました。
根本的な原因が定かではないから、悩みが深まってしまう・・・とも言えるのかもしれませんね。
仮に根本的な原因が明確になったとしても、それに対しての心のオペをしていかないと改善は見込めませんけどね。
しかし、原因がわからないよりは、知っておくことに越したことはありません。
いつも思うことですが、この地球で自分らしく楽しく生きていくためには、対人恐怖症が非常に邪魔になるという事実です。
根本的原因
この女性が社交不安障害(対人恐怖症)になってしまったきっかけは、幼少期の親子関係が原因だと考えられます。
母親は言い方がきつく、彼女曰く「甘えた記憶がない」と言っているくらいです。
父親は酒乱でお酒を飲むと暴れる。
父親と母親のたったこれだけの情報で彼女がなぜ、人前で緊張して自然体で居ることができないのか、そういった原因とネガティブな思考パターンをはっきりとあぶりだしていくには時間がかかりませんでした。
以下の心の動きを参考にすると良いでしょう。
親に甘えられる=ありのままの自分を出せる状態
その甘えを親が否定し続けると子どもは甘えられなくなる。
または親が甘えられる雰囲気や環境にしていないと子どもは甘えられなくなる。
甘えられなくなると子どもはありのままの自分を出せなくなる。
すると潜在意識にこんな方程式がすり込まれるのかもしれません。
甘えられない=ありのままの自分を出せない=自己否定感が強くなる
さらに彼女の場合、父親が酒乱ということですから、子どもにとっては父親は色々な意味で大きな存在です。
そんな大きな存在が予告もなくいきなり暴れ出すわけですから、お父さんに愛されたいまだ小さな女の子にとっては恐怖のなにものでもありません。
おそらく父親がいつ暴れるのではないかと毎日のように緊張しながら、顔色を伺ってビクビクしていたのではないかと推測できます。
そこでまた母親が気を利かせて、怖がっている娘を抱きしめてあげられれば心の状態は変わってきたと思いますけどね・・・。
ところが母親は愛情が薄く、その上性格がきつい方なので、娘が怖がっていても甘えられる家庭環境ではなかったみたいですね。
もちろん母親も夫が酒乱ですから、心の余裕がなかったのかもしれませんね。
さらに考えられることは、この女性の母親もまたお母さんに甘えられない家庭環境で育てられた可能性が高いと言えるでしょう。
▼社交不安障害(対人恐怖症)になってしまった根本的な原因 父親の酒乱で「人はいつ暴れるのかわからないという恐怖心」を強く受けつけられてしまったことで、その恐怖のあまり緊張状態に陥ってしまい自然体で居られてくなってしまった。その上母親がその娘の心の状況に気づかず守ってもらえない家庭環境でなかったことも大きな原因だと考えられます。また中学生のときのトラウマの影響もありました。 |
カウンセラーが主婦の方に行ったアプローチ
前回の記事で私は以下のことをお伝えしました。
「対人恐怖症でお悩みの方で子どもの頃の親子関係が原因と推測できる場合は、インナーチャイルドセラピーが効果的だというセオリーを私は持っています。」
しかし、今回はこのセオリーを無視してサブ的にインナーチャイルドセラピーを行っていきました。
私もなぜそうしたかはわかりませんが、直感でそう感じました。
杉田メソッド究極奥義1
杉田メソッド究極奥義1は、NLP(神経言語プログラミング)を応用して私が独自に開発した心理セラピーの技術です。
メインに行っていったのは、社交不安障害(対人恐怖症)に効果を発揮する杉田メソッド究極奥義1でした。
このメソッドはインナーチャイルドセラピー的な要素も含んで進めて行くこともできる優れた心のオペの技術です。(ここは自慢させてください・・ 笑)
彼女の場合、この要素を含めながら進めて行こうと判断しました。
課題としては、ストレートに「人が怖いと思っている自分」をテーマに行っていきました。
ちなみに彼女は、心理的な抵抗はまったくありませんでしたのでたった1回のこのセラピーでかなりの改善率を誇りました。
以下が改善していった事柄になります。
・20年近くあった胸のボーリングの玉がスポンと抜けて自由になった気がした
・自己否定感がなくなり、自己肯定感が高まった
・自然体に居られるようになった
・人間関係がすごく楽になった
・子供に対して心配性だったが、おおらかになれた
どうですか?
すごいでしょ?
心理的な抵抗がまったくない場合、たった1回のセラピーでこれだけのことが解決することも現実によくあることです。
※体験談で彼女はインナーチャイルドセラピーを行ったと語っていますが、実は杉田メソッド究極奥義1だったんですね(笑)
NLP(神経言語プログラミング)のフォビア
2回目のカウンセリングセラピーでは、さらに安定した自己受容を深めるために一人で簡単にできるインナーチャイルドセラピーを伝授させていただきました。(「キライな自分」がすーっと消える本に掲載されているぬいぐるみワークです)
あともう一つは、日常生活でストレスを簡単に解放できるテクニックです。
正直言って、当時はまだEFT(感情解放テクニック)は知ってはいましたが、使いこなせていなかったのでNLPのフォビアを今後のために伝授させていただきました。
NLPのフォビアは「嫌な出来事があった時に、その記憶を書き換える方法」で日常生活でも非常に役に立つ心理テクニックです。
またフラッシュバックの克服や過去にあった大きなトラウマの記憶を書き換える方法として私は使っています。
EFTと共に非常に重宝する技術です。
体験談で彼女はこんなことも語ってくれました。
「杉田先生は、私の悩みを頭でなく、心の奥底で理解してくれているように感じられて、心をオープンにできました。杉田先生は本当にカウンセラーが天職ですね!」
誤解されると困るので言っておきますが、100人すべての方がこのように感じてくれれば嬉しいのですが、稀に相性が合わない方もおられることも事実です。
▼カウンセラーの相性についてはこちらに詳しく掲載しております
この女性が体験談で言ってくれているように心のオペとして使った技術はNLP(神経言語プログラミング)オンリーになりました。
▼対人恐怖症の関連記事
対人恐怖症になってしまった根本的な原因や克服していくために必要なことまで要点をまとめて書いた記事ですので参考にしてみるといいですね。