社交不安障害(対人恐怖症)カウンセリングの実例 会社社長

2024年5月23日社交不安障害のカウンセリング効果と真実

【社交不安障害(対人恐怖症)ファイル1】

今回ご紹介するのは、ある建築会社の社長さんがある出来事が起こったことにより社交不安障害(対人恐怖症)になってしまったお話になります。

このファイルシリーズでは、クライアントさんの体験談とは違った様々な角度から、カウンセラーが実体験を通して色々とお伝えしていきます。

クライアントさんの体験談とはまた違った刺激があると思います。

ですから、克服していくための大きなヒントをつかむことができるかもしれません。

クライアントさんの生の体験談には良いところがあり、このファイルには異なった良いところがあります。

メンタル心理エキスパートでは、この症状における様々な実例が豊富にありますのでご自分に合った解決法が見つかるかもしれませんよ。

※社交不安障害(対人恐怖症)ファイルシリーズは体験談を書いてくれた方の実例ですので許可は得ています。

 

社交不安障害(対人恐怖症)になってしまった会社社長

今回ご紹介するのは、30代会社経営者男性の物語です。

この方が私のところにご相談に来られたのは、10年以上前の話です。

ご相談内容としては、この方が体験談で以下のことを語っています。

「私は会社を経営しているのですが、ここ数年の間、不安感や人と接することに対する恐怖感、いわゆる対人恐怖症に悩まされていました。『早く仕事を辞めたい』や『早く寿命が来たらいいのに』などと逃げ出すことばかり考えていました。それが時間が経つにつれてヒドクなり、会社にいること自体が大変苦痛に感じるようになりました。夜も不眠状態に陥り、一日2時間程度の仮眠のような状態が長く続いていたのです。」

なぜこのような状況になってしまったのか?

NLP(神経言語プログラミング)のメタモデル(効果的な質問)を使いながらカウンセリングを進めて行くと、その状況になってしまったきっかけが明確になってきました。

 

この社長の根本的原因

この経営者の男性の根本的な原因は、幼少期の親子関係などはまったくと言っていいほど関係なかったです。

それよりかこの男性のお父さんが今まで会社を経営していましたが、突然亡くなってしまったのです。

そしてその息子であるこの男性が、いきなりお父さんの会社を継ぐということで、この会社の社長になることになりました。

いきなり社長になったので従業員の方たちを束ねていかなければいけません。

「これから自分は社長として振る舞わなければいけいない」

といった強烈なプレッシャーを感じながら日々過ごされていました。

そんな中そう思えば思うほど、従業員の方たちとの心の距離がどんどん離れていく・・・。

頑張れば頑張るほど空回りして、ついには従業員だけではなく取引先の人間関係も悪くなっていく・・・。

「自分は経営者として向かないのではないのか?」

「このままどこかに逃げ出したい」

そんな想いばかりが強くなっていく毎日でした。

そしてついには人と接することが怖くなってしまい、睡眠もろくにとれないほどストレスを感じるようになってしまいました。

▼社交不安障害(対人恐怖症)になってしまった根本的な原因

先代の社長(実の父親)が亡くなってしまい、予行練習する暇もなくその後すぐに社長業を行っていかなければいけないという責任感から、「早急に先代社長のようにならなければいけない」という強いプレッシャー状態になって、冷静に周りが見えなくなり、人間関係が上手くいかなくなったと考えられます。

 

カウンセラーがこの社長に行ったアプローチ

この男性の場合、幼少期の親子関係に問題やトラウマがあったわけではなかったので、まずは「これから自分は社長として振る舞わなければいけいない」といった暗示を解かなければいけないと感じました。

違った角度から見るとこうとも取れます。

「自分は先代社長のようにならなければいけない」

実は上記のこの思い込みが自分で自分の首を絞めているということに気づいて欲しかったのでこれからご紹介する技法を多用しました。

体験談で本人が「目からウロコ」と言ってくださったのは、この自分を縛り付けている思い込みに気づき、この思い込みを解いていったことにあります。

 

EQリーディングとメタファー

そこで私が行ったことは得意のNLPのメタファーと独自で使っているEQリーディングです。

EQリーディングはメタファーは比喩やたとえを使ってお話していきネガティブな思い込みを解いていく技法です。

メタファーを使わずに仮に私が直接この男性に

「先代社長のようになるのはやめることが大切です」

といってもおそらく彼はその言葉を受け取ることに抵抗を感じる可能性があります。

「そうはいっても」「じゃーどうすればいいんだ」みたいにね。

ですから、その抵抗をすり抜けていくことができるEQリーディングとメタファーを使って「自分は先代社長のようにならなければいけない」といった暗示を解いていきました。

その結果

「先代は先代、自分は自分」

と思えるようになっていきました。

このように心の底から思えたことは、この男性の対人恐怖症は時間の問題で解決できると私は確信しました。

 

EQリーディングとメタファーで人間関係を解決

従業員の視点や立場になって見てみたり、聞いてみたり、感じてみたりすることをイメージしてもらいながら、EQリーディングを使い質問形式で進めていきました。

それと同時に取引先の方たちの立場になって考えてみることも行っていきました。

おそらく現在であれば私はゲシュタルトセラピーを使うと思います。

しかし、当時はまだゲシュタルトセラピーを使いこなすことがまだ難しかったのでEQリーディングを使って解決へと導いていきました。

それを行ったことにより、この男性の「自分は先代社長のようにならなければいけない」といった思い込みがさらに崩壊していき心が楽になってきたようです。

私がここで一番この男性に気づいて欲しかったのが・・・

従業員さんと取引先の人たちの心理

わかりやすくご説明するためにちょっと大げさな表現をしますね。

社長の息子がある事情でいきなり社長に就任し、数十年以上も働いている従業員さんの前で、今までとはまったく違った社長面で接していたら、その従業員さんたちはどんな気持ちになるでしょうか・・・?

普段であればちょっと考えれば人の心理はなんとなく想像すればわかるのもです。

しかし、「自分は先代社長のようにならなければいけない」といったこの想いや責任感が強ければ強いほど周りが見えなくなってしまいます。

これはこの男性がKYということではなく、こういった心の状態であれば誰にでも起こり得る心理状態ということです。

私はこの従業員さんたちや取引先の人たちのこういった心理や気持ちを気づいて欲しかったんですね。

そういった気持ちをわからずに接してしまっために仕事の人間関係が崩れていってしまったのです。

この男性は責任感が強いことが裏目に出てしまったことにより、人間関係が上手くいかずに結果、人と接することが怖くなり、対人恐怖症になってしまったんですね。

 

催眠療法(ヒプノセラピー)でストレスを取る

対人恐怖症になってしまった原因もわかり、仕事の人間関係でこれから自分がどのように接していけば良好な人間関係を築いていくことができるのか???

そういったこともご理解されました。

そして、あともう一つやらなければいけないことがありました。

それはストレスの解放と自律神経を整えることです。

そこで私が行ったのがリラクゼーション系の催眠療法(ヒプノセラピー)です。

催眠誘導のときにゆったりできる「安眠」という波の音のCDをかけながら、自律訓練法の暗示を与えながら進めていくやり方です。

本人はこれがすごく心地よくて気持ち良くて、心も体も楽になっていくと語っていました。

以上がこの男性に私が行っていった主なカウンセリングセラピーでした。

この社長の体験談


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対人恐怖症になってしまった根本的な原因や克服していくために必要なことまで要点をまとめて書いた記事ですので参考にしてみるといいですね。

社交不安障害(対人恐怖症)克服のための専門ページ

 

 

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記事の担当者

この記事は代表の杉田義晴が長年のカウンセリング・セラピー経験と実績を元にして書いています。
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