カウンセリング・セラピー(療法)の効果と回数には個人差がある
【薬を使わないカウンセリングセラピー】
カウンセリングを受けてみようかな?
と思ったときに様々な不安ってあると思います。
「はたして、本当に克服できるのだろうか・・・」
「カウンセリングやセラピーで薬も使わずに良くなっていくのだろうか・・・」
「まったく効果がなかったら時間とお金の無駄だ・・・」
「改善していくとしたら、いったいどれくらい通わなければ、ならないのだろうか・・・」
「カウンセラーとの相性は合うのか・・・」
と様々な考えが出てくる方も多いかもしれませんね。
反対に色々と考えていてもしかたないので、「とにかく受けてみなければわからない」と思ってすぐに初回カウンセリングを受けられる方もいるでしょう。
中には1年以上も悩まれてカウンセリングを受けに来られる方もおられます。
でもどれくらの期間や回数で悩みが改善していくのだろうか?
ということはとても気になるものです。
カウンセリングの回数について
私の経験上よく電話でご質問を受けるのが「だいたい何回くらいで良くなりますか?」と聞かれることがありますが、正直言って分かりません。
なぜかというと、詳しい状況やその方のお悩みに対しての心の深さなどが分からないからです。たとえば、あなたが階段から落ちて足を怪我したとします。
そのときに電話でお医者さんに「階段から落ちて足を怪我したのですが、どれくらで治りますか?」と聞かれたとき、お医者さんはどのように答えるでしょうか?
実際に階段から落ちたからといって、かすり傷の方もいますし、骨折、複雑骨折あるいは靭帯や筋肉断裂をしてしまう方もいます。ですからまずはレントゲンを取らないとなんともいえませんよね。
レントゲンやMRIを取ってしばらくしてから色々なことがわかってきます。
・普通の骨折なのか?
・複雑骨折なのか?
・筋肉を断裂したのか?
・靭帯損傷をしてしまったのか?
・ただの打撲なのか?
・自然治癒力や免疫力は高いのか?
・ストレスはためていないか?
・リハビリの意欲はどれくらいなのか?
・栄養のバランスは取れているのか?
そういった様々な要素が分かってきて始めて、どれくらいで改善していくのかということの目安がついてきますよね。
それと同じように自分を変えたいと思ったり、不安感やパニック的なことや対人恐怖症的なお悩みのことを克服したいことも同じなんです。
初回カウンセリングでは心のレントゲンを取ります
その心のレントゲンを取ることにより、お悩みを解決していく上での重要ポイントを探していきます。
ただし、解決時間には個人差がありますのでご了承ください。
たとえば、100人の初心者の方がいっせいに毎週3回ギター教室に通っていたとします。
するとどうですか?
3ヶ月も経てば、かなりの個人差が出てくると思いませんか?
センスがよくどんどん吸収していく人、または不器用でなかなか上達しない人等色々いますよね。
では質問です。
最初不器用でぜんぜん上達しなかった人でも、ギターを練習し続ければ続けるほど、どんどんへたくそになっていく人って考えられますか?
練習をすればするほど上達していきますよね。それは心理療法もまったく同じです。
※心理療法の効果を計る場合、日常生活における器用、不器用とはまったく無関係です。
心のオペをしてみないとわからない?
先ほど心のレントゲンのお話をさせていただきましたが、カウンセリングの回数についてもう一つ重要なことをお伝えします。
ここでもお医者さんの例えを使っていきますね。
医師は手術をする前に様々な検査をし、シミュレーションを行い手術に備えます。
しかし、実際に患者さんにメスを入れてみたら、複雑骨折だけではなく靭帯や筋肉まで断裂していたみたいな状態になっていることもあります。
その場合、最初に予定していた手術時間を大幅にオーバーすることもありえます。
ときには再手術なんてこともあるかもしれません。
実際に私が心のオペをするときもこのような状況に遭遇することも多々あります。
最初は1、2回カウンセリングを受けられれば、かなり改善すると思っていたことが、実際に心のオペをしてみると心理的な抵抗が強かったりすることがあります。
その場合その心理的な抵抗を解除してからでないといくら各種療法を何十回行ったとしても効果は上がりにくいです。
またこの心理的な抵抗が一つではなく2、3個ある方もおられます。
しかし、ちゃんとその心理的な抵抗を見極めて解除していけば、必ず解決の方向へと向かっていきます。
結論から言うと心理的な抵抗が強ければ強いほど回数は必然的にかかってきますし、心理的な抵抗がなければ3回前後で済むでしょう。
心理的抵抗を解除できないカウンセラーに当たってしまうと何年も通う羽目になってしまい
時間とお金だけが消費されてしまう現実をよくお聞きします。
これからカウンセリングやセラピーを受けたいとご検討されている方は、この心理的抵抗を解除できるかできないか、ということをよく覚えておいたほうが自分のためになると思いますので以下の記事をご用意しております。
カウンセリングの効果の上がり方にはこんな個人差がある
これからご紹介していくのは、実際に私のところでカウンセリングセラピーを受けられた方の簡単な参考例です。
ケース①
一つの悩みだったので1回だけで解決した。
症状例:人間関係の悩み、1個のトラウマ、各種恐怖症、悪夢、軽いうつ状態の方など
ケース②
一つの悩みだったが、色々と絡み合っていて2回かかった。
症状例:対人恐怖症(社会不安障害)、トラウマの解消、うつ状態、性格改善の方など
ケース③
悩みが何個かあったが3回ですべての解決した。
症状例:通常のアダルトチルドレン、パニック障害、適応障害、PTSD、失恋の方など
ケース④
カウンセリング・セラピーを1、2回受けて効果が上がったが、3回目を受けた後今までより症状が悪化してしまい(好転反応)1週間から2週間くらい辛かったけど、その後2~3回受けたら嘘のように改善した。
症状例:深いレベルのアダルトチルドレン
ケース⑤
心理的抵抗が強く、さらには何個もありその抵抗を解除するのに時間がかかってしまい3回目くらいまでは効果がそれほど上がらなかったが、解除してからは改善に向かっていった。
症状例:解離性障害、軽い感情麻痺状態、心理的抵抗がある方など
ケース⑥
症状が思ったより重く半年~1年くらいかけて月1~2回のペースで通って解決した。
症状例:重度のうつ、複雑性のPTSD、重度の発達性トラウマ、感情麻痺状態、解離性同一障害(DID)の方など
重いうつ状態や複雑性のPTSD、重度の発達性トラウマなどは、どうしても心のリハビリ期間が必要な場合や自宅などでメンタルトレーニングを行っていくケースもあります。
発達性トラウマとは、複雑性PTSDの原因となる、子ども時代に負ったトラウマのことです。 家庭や学校などで負った慢性的な(反復性)ストレスがトラウマを生み、複雑性PTSDの原因となることがとても多いのです。
複雑性PTSDは、持続的な虐待やドメスティック・バイオレンスなどのトラウマ体験をきっかけとして発症し、PTSDの主要症状(フラッシュバックや悪夢、過剰な警戒心など)に加えて、感情の調整や対人関係に困難がある等の症状を伴います。 こうした症状により日常生活や社会生活上に大きな支障をきたす精神疾患です。
※この6つのパターンはあくまでも一例ですのでこの例に当てはまらない方もおられることをご了承ください。
症状例の回数についてはあくまでも一例で個々によって異なりますのでご了承ください。
すべての方が短期間(3回前後)で改善して行くとは限りませんのでご了承ください。目安としては5回未満は約80%、6回以上は約20%です。
通常1つの症状に対して1回~2回のカウンセリング・セラピーで解決していく方が3割~4割くらいです。
2023年以降のデータ
ヒーリングクライシスについて
症状が一次的に悪化してしまう現象は、ヒーリングクライシス(好転反応)といいます。
読んで字のごとく好い方向へ転じていく反応です。この現象は心の中に溜まっていた毒素がどんどん出てきている状態です。例えばうみが傷口に溜まっていてそのうみを体の外に出している状態だとご理解していただければいいです。
ではもしうみを完全に出さないでそのままにしていたら、傷は治ると思いますか?
うみを出さなければ傷は治ることは難しいということは皆さんもご存じだと思います。ですから、完治をさせるには、まずうみを出すことが大切ですよね。
それを考えたら、好転反応が出てくることは喜ばしい反応だと感じませんか?
もちろん一時的に辛くなることはありますけどね。
またこの好転反応が何か月もずっと続いていた方はいませんので安心してください。
このように1回のカウンセリングでかなりの効果がでるときもありますし、まあまあのときもありますし、いまいちのときもあります。
それは人間の心の質、お悩みの深さやトラウマ的な記憶の数、本人が変わりたいという覚悟や気持ちなどが影響していると考えられます。