親に感謝できない人は本当にダメ人間なのか?
このページをご覧になられている方の中には、親に感謝したい・・・
と、頭では理解していてもどうしても感謝することができない
何か心が葛藤して、チグハグになっている・・・。
もしかしたら、10代や20代または40代以上の方もおられるのかもしれませんね。
そこで私の20年以上のカウンセリング・セラピー(療法)経験から色々思っていることがあります。
それは感謝できないのには必ず何かしらの理由があるとみています。
(100%ではありませんが)
もし現在あなたが、親に感謝できない自分に対して
頭がおかしいのではないのか?
精神異常だからではないのか?
人と変わっているからではないのか?
そんなふうに悩まれている方がいるとしたら、この記事を読まれている間にも心が軽くなるかもしれませんね。
親に感謝する必要があるの?
親に感謝できないあなたへ・・・
私は親に感謝したくてもできない方は、無理に感謝しなくてもいいと感じていますし、カウンセリング中でも平気で言います。
なぜって?
それにはちゃんとした理由があるからです。
その深い理由をお伝えしていきますね。
親に感謝できない人はダメ人間?
よく自己啓発本には以下のようなことが書いてあることがあります。
「親に感謝できない人は幸せになれない」
「親に優しくできない人は他人に優しくできない」
「親を大切にできない人は他人を大切にできない」
「親を大事にできない人は自分を大事にできない」
確かに一理はあるとは思いますが、これは親から無条件の愛情をもらってきた方だったら、本当にそうだと思います。父親と母親からたっぷり愛情をもらってきた方が、感謝していなかったらバチがあたりますよ。
テレビなどを見ていると「お金があったら何したいですか?」と聞くと「親に家を建ててやりたいです」と言う人もおられます。
おそらく毒親に育てられた方は、ほとんどの場合「親に家を買ってあげるなんて信じられない」と心の中で多かれ少なかれ思っているのではないかと私は考えています。
これはカウンセリング中によく耳にすることなんですけど、毒親に育てられた方は口をそろえて「親の介護なんて絶対にしたくない」と言います。
私はこれを聞くたびにそれはそうだろうなと強く感じています。
それも40歳、50歳、60歳になっても親に感謝できない方
をカウンセリングを通してたくさん見てきました。
正直私も40歳を超えてもまったく親に感謝できるどころか憎しみや許せない感情でいっぱいだった人間でした。
ここで私がお伝えしたいことは、たとえ親に感謝できなくても自分の気持ちをときには「一点の曇りがない」ほどに気づき、表現して認められることができれば、自分を幸せにすることはできます。
いわゆる自己受容ってやつです。
そのこともふまえながら、これからお話をしていきますね。
自己受容については、たくさん記事をあげていますのでまずはこちらをご覧になってみるのも良いです。
感謝できない法則とは
親に感謝したほうが良いと頭ではわかっているけど・・・
それがどうしてもできない方は、ある心理的要因が関わっている可能性が高いです。
その要因は見方を変えると何かのメリットとも言えるかもしれませんね。
そのへんを深掘りしていきますね。
ある法則が働く
通常、我々人間の心には多かれ少なかれ以下の法則が働きます。
返報性の法則
この法則は人から何かしてもらったら、単純にその恩を返したいという人間が本来持っている心の素晴らしい動きです。
ちょっと想像してみてください・・・。
今現在あなたが、ちょっとした崖から転げ落ちてかなり酷い怪我をしたとします。(複雑骨折級)
周りに人影もなく、思うようにも体も動かず途方に暮れていたとき、1人の中年男性があなたに気づき、損得勘定や打算的な考えを持つことなく、ただただ純粋に助けてやりたいという想いで水や食料を与えてくれて、車で病院まで連れて行ってくれました。(救急車は少々時間がかかる状況)
そして、病院に着いてお医者さんに診てもらうまで一緒に居てくれて何事もなかったように立ち去っていきました。
この助けてくれた彼は自分にとって得か損かを打算的に判断することなく純粋な気持ちで行動していた。
もしあなたがこのようなことを経験されたら、大げさですが「命の恩人」と感じるかもしれませんね。
何でもそうだと思うんですけど、人は他人から何かを与えてもらったら、その恩を返したいという心理が働きます。
特に相手に打算的な考えが少ない場合、強くそう思う方が多いのではないでしょうか・・。
返報性の法則が機能していない?
ここで述べてきたように親に感謝できないのは、一言で表現すると子どもから親へこの返報性の法則が働いていない可能性があります。
確実に子から親へこの法則が働いていれば、必ず親に感謝したくなるはずです。
また例外があり、思春期の場合は自立することが主なので一時的に感謝したくない又はできない心理状態に陥ってしまうこともあります。
詳しくは以下の記事をご覧になってみると参考になります。
親に感謝できない要因
この項目では法則というより、感謝できない心理的要因についてお話を進めていきますね。
簡単にお伝えすると返報性の法則がなぜ親に対して機能しないのか?
ここまで読まれて親に感謝したくてもできないのは、もしかしたら・・・と心当たりある方もおられるかもしれませんね。
心理的要因
父親や母親から無条件の愛情をたっぷり得られた方は、親に対して「ありがとう」という感謝の気持ちでいっぱいになって、親のために何かをしてあげたいという想いが自然と湧いてくるような気がしません?
しかし、親からの愛情を感じられず愛情欠乏状態だとしたら・・・
「親が許せない」
「親が大嫌い」
「親が憎い」
「親を殺したい」
「親と縁を切りたい」
とまで、想ってしまったとしても親に感謝できない本人には何も罪はないのではないでしょうか・・・。
それにこんなに怒りも憎しみも許せない気持ちも心の中にたくさんあるのに感謝できると思いますか?
だからこそ40歳、50歳になっても感謝したくてもできない心の動きがここにあります。
一言で言うと親に感謝できないのは
自分が欲しいと想っている愛情を親から与えられなかった😭
それがすべてではありませんが、多くの方が該当すると考えられます。
頭では親に感謝したいと思っていてもできない多くの方は
心の中で何かの想いや感情が邪魔している
可能性がかなり高いと私はみています。
アダルトチルドレンの可能性?
あなたは毒親やアダルトチルドレンという言葉を一度は目にしたことはありますか?
簡単にお伝えすると毒親の家庭環境で育てられて大人になった人たちです。
毒親とは我が子に精神的苦痛、身体的苦痛を与える親のことです。
このことはかなり重要だと私は感じているので、詳しく解説している記事とあわせて愛情不足だと思われた方は以下の2つの記事を参考にされるのも良いです。
親に感謝できない・・どうしたらいい?
親に感謝できないことから抜け出すにはあることをすることで確率がグーンとアップします。
それは自分の本心に気づき、知り、その真実と向き合っていくことですね。
カウンセリングの現場ではこういった状況によく遭遇します。
ここを無視していると、ときには生きづらく感じることもあるかもしれません。
ところがここを乗り越えて幸せになっていった方たちをたくさん見てきました。
向き合っていくにはちょっとした勇気が必要ですけどね(笑)
自己受容が大切
まずはなぜ親に感謝できないのか?又はしたくないのか?
そこの真相を知ることが第一歩になると私は考えています。
そこにはしたくない何かの気持ちや感情・想いが存在している可能性があるからです。
親に感謝したくない気持ちがあるのなら、その気持ちを自分が認め一時的に紙に書き出したり、声に出して感情を吐き出すことも重要です。
ですから、感謝したくない自分の気持ちを尊重してあげることが大切でこれが自己受容ですね。
そうやって自分の本当の気持ちに素直になっていくことが、自分で自分のことを労わり、大切にすることだと私はカウンセリング・セラピーを通してそう感じています。
今のところ親に感謝できないんだったら、自分を偽ってでも感謝する必要なんでありません
別に恥ずかしいことでもないし、あなたの性格が悪いわけでも心が狭いわけでもありません!
親に感謝できない心理状態としては先ほどもお話しましたが
自分が欲しいと想っている愛情を親から与えられなかった😭
このことが一番大きな要因だと推測できるからです。
セルフセラピーの危険性
もしあなたが子どもの頃、親から精神的・肉体的な虐待などを多かれ少なかれ受けてきたアダルトチルドレンだった場合、以下のことを必ずお読みいただければと思います。
そこまで深いトラウマ的なことがない方は、一時的な親への怒りなどが邪魔して感謝できない心理状態になっていることも考えられます。
そういったケースでは割と短時間で解決することも多々あります。
自分一人で親に感謝できない感情や気持ちと向き合って、紙に書き出したりしていると過去のトラウマ場面を思いだし、辛くなってしまい日常生活に支障をきたす可能性もゼロではありませんので注意が必要です。ですから、自己責任でお願いします。