カウンセリングを受ける側とする側の疲労度は?
これからカウンセリングや心理療法を受けようと検討されている方やカウンセラーやセラピストとして独立開業を目指されている方にも何かの参考になっていただければ嬉しく思います。
そして今回のテーマは、カウンセリングをする側のカウンセラーもカウンセリングを受けられるクライアントさんも疲れるのか?
そういったカウンセラー側とクライアント側との2つの立場から色々と検証していきたいと思います。
カウンセリングを受けるのは疲れる?
ここの項目はカウンセリングを受ける方のクライアント側です。
私なりにクライアントさんの疲労度を今までの経験に照らし合わせながら、データを取ってみました。
そこで明確になってきたことをお伝えしていきます。
カウンセリングを受けられて疲労を感じるのには、大きく分けて3つあるのかなと、私なりに気づきました。
緊張からくる疲労
これは特に初めてカウンセリングを受けられる状況で、人見知りや対人関係が苦手だと思われる方が多いのではないかと感じています。
クライアントさんからよくこんなことを言われます。
「緊張して自分の想いをあまり話せないと思ったので、紙に書いてきました」
おそらくこういった性格の方は、普通の人以上に自分の気持ちや想いをどう上手く言語化して相手に伝えていったらいいのか・・・?
という気持ちが強すぎて、そこのところに神経を使ってしまい疲れ果ててしまうのかもしれませんね。
こういったことって、私も経験ありますがかなり疲れますよね。
ちなみに私は初めて参加するセミナーなどは、知らない人ばかりなのですごく疲れるたちで、家に帰るとその日は爆睡してしまいます(笑)
カウンセリングが行き詰まる
カウンセリングと言うのは基本的にクライアントさんに辛かった想いなどを話してもらい、その気持ちや感情に対して、カウンセラーが否定せずに共感していきます。
しかし、それだけでは心の問題を根本的に解決していくのは非常に難しいです。
そのときはスカッとして心が軽くなることもありますが、何日か日が経つにつれてまた心がモヤモヤして元に戻てしまう・・・。
そしてカウンセラーは、今度はちょっとしたアドバイスをするようになる。
ところが何をやってもなかなか上手くいかない・・・
こんなやり取りが半年も続く・・・
やがて、カウンセラーに打つ手がなくなり、ただただクライアントさんの話を聞いてその気持ちに寄り添う・・・
これはカウンセリングが行き詰まってしまった状態です。
もっと過激な言い方とをすると限界と言ってもいいかもしれません。
この状況がさらに半年も続いてしまえば、「もうカウンセリングを受けても効果がない」という想いから、受けること自体否定的な感情などが出てきてしまいます。
こんな状況だとしたら、それは疲れると思いませんか?
効果的なセラピーを実感したとき
効果的なカウンセリングセラピーをするとだいたい半分くらいの方が、眠くなったり、体の力が一時的に抜けたり、疲労を感じることがあります。
この話をすると一見、あまりよくないのでは・・・と思われがちですがそこにはちゃんとした理由があります。
それは普段使っていない脳ミソの領域を使っているからと私は考えています。
普段まったく使っていない筋肉の部分を筋トレしたらどうなりますか?
筋トレが終わった後でも筋肉が自然と震えたり、次の日は筋肉痛になったりしますよね。
ではなぜ、普段使っていない脳ミソの領域を使い脳の筋肉痛になってしまうのか?
カウンセリングを受けられるほとんどの方が、心の中にストレスという膨大な量のゴミを溜めこんでいます。
しかし、意識ではそんなに膨大なゴミが溜まっているとは感じていません。
ちょっと想像してみましょう・・・
もしあなたの家に何年も溜め込んだゴミが溢れていたとします。
そのゴミを一人で片付けて家の中を綺麗にするって、かなりの労力を使うし大変な作業だと思いませんか?
そしてこの心の中に溜まっているゴミを片付けるには、普段意識的に使っていない潜在意識の一部の領域を使っていきますので疲れてしまうんではないかと私は推測しています。
また心のオペをすると疲れる方が多いと私は今までのデータから見ています。
お医者さんが行う手術で体力が消耗するように心のオペも体力を消耗するようです。
カウンセラーはどれくらい疲れるのか
これからお話する内容は私の個人的な価値観ですのでご了承くださいね。
カウンセラーの中には1日7~8人相手にする方もおられると聞いていました。
しかし、実際に開業して感じたことは1人の方と向き合っただけでもかなりエネルギーを消費してしまうという現実でした。
これは個々のカウンセラーそれぞれの性格・気質又は耐久性などもあると思いますけどね。
カウンセラーは集中力が必要
カウンセラーはかなり
集中力と直観力と仮説力
を使う仕事だと私は思っています。
カウンセラーは物を相手にしているのではなく、人の大切な心を扱っていくお仕事です。
だから、人それぞれみんなアプローチ方法が異なってきます。
その個々のアプローチをどこに絞っていけば良いかは、特に仮説力が必要になってくると私は考えています。
催眠療法(ヒプノセラピー)を使うにしろ
NLP(神経言語プログラミング)を使うにしろ
EFTを使うにしろ
ちょっとした応用が必要になることが多々あります。
たとえばある方にNLPのフォビア(恐怖症の治療)を使ったとします。
しかし、基本的なやり方ではまったく上手くいかない場合があります。
そのときはそのクライアントさんに合わせて行っていかなければ、まったく効果はでないのです。
ですから
マニュアル通りに行ったとしてもこのように上手くいかない場合が多々あります
これは私の今までの経験ですが「自分のプライドをかけて、このクライアントさんのために何とかしたい」と心で強く思っていると何かしらのアイデアが浮かんできて、満足いく結果が出たことが数えきれないくらいありました。
私としては「クライアントさんのためだけに何とかしたい」と言いたいところだけど、まだ人間ができてないので「自分のプライドをかけて」と付け加えています(笑)
こんな神経ピリピリの状況でカウンセリングセラピーを行っているわけですから、疲れないわけないと思いません?
こんな状況で1日7人なんてどう考えても集中力が続かずに素晴らしい仕事なんてできるわけありません。
私の場合、生まれつき体も強い方ではなく心もすごく繊細でナイーブ(HSP)なので疲れやすい体質です。
元々体と心が強くタフなカウンセラーだったら、可能かもしれませんが・・・。
1日限定2名にした理由
その理由としては、1人の方のカウンセリングセラピーを行った後、ぐったりとするくらい疲労してしまうからです。
ですから、1人の方が終了した後は次の方が来られるまで2時間くらい時間を空けています。
その間に体力と精神力を回復するために30分~40分仮眠をします。
すると元気になって集中力も戻ってきます。
常に私はベストな状態でカウンセリングセラピーに望みたいと考えていますので、そういったサイクルで仕事をしています。
以前は1日3人行っていたこともありましたが、3人目になると集中力の精度がどうしても劣ってしまうことに気づきました。
これはプロの仕事じゃない
と思った私はそれ以来1日限定2人にさせていただいています。
私には開業当初から掲げている信念があります。
その一つが
一戦必勝
この言葉に恥じないようにしています。
あくまでもこれは私の体と心と相談した自分軸でこのような体制になっただけです。
これからカウンセラーとして独立開業を目指している方は、素晴らしい仕事をするためにもこの自分軸が重要になってきます。
傾聴カウンセリングと心のオペ疲労度比較
クライアントさんの話をただ聞いて、共感し、ときにはちょっとした提案をする傾聴カウンセリングと、根本解決を目的とした心のオペ(心理療法)とどれくらい疲労度が異なるのか?
傾聴カウンセリング2に対して心のオペは8
これくらい差があると私は感じています。
ですから、傾聴カウンセリングのみならば、1日5~6人は大丈夫です。
共感するのは得意なので(笑)
それくらい根本解決を目的とした心のオペは正直疲れます。
しかし、それくらいプレッシャーがかかっているから反対にやりがいがあると私は感じています。
自分でも最高の心のオペができたときは、心地よい疲労度を感じます。
何とも言えない満足感と苦しい状態から抜け出せたクライアントさんのことを想うと、嬉しくて嬉しくて仕方ありません。
まさにこれは中毒症状かもしれませんね(笑)
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