言いたいことが言えずストレスになる根本的な3つの心理的要因
私は20年近くプロのカウンセラーをしているのですが、今まで「自分の意見を言えない」「人と話すのが苦手」「言いたいことが言えない」といったような対人的なお悩みを持たれた方たちのご相談をかなり受けてきました。
私も以前、自分が思っていることが言えずに仕事、恋愛、友人関係などで自然とストレスが溜まり、苦労してきた人間ですのでこれからこの記事を読まれる方のお役に立つことができれば幸いです。
言いたいことを我慢するとストレスが溜まる
自分が思っていることを言葉で表現することができないと、自分が思っている以上にストレスを感じ心に凄く負担がかかってしまいます。
自己否定が強くなったり、ときにはうつ状態になってしまうこともあるくらいです。
では言いたいことが言えないと何で思っている以上に心に負担がかかり、病んでいってしまう可能性が高くなってしまうのか???
そんな重要なお話をしていきます。
ネガティブループにはまってしまう
言いたいことが言えないと最悪のネガティブループにはまってしまう。
これは私もそうでしたが、この悩みでカウンセリングに受けに来られる方たちもこのループにはまってしまい、そこから抜け出せずに苦しんでいました。
最悪ループとはこれです!
どうですか?
言われてみれば、こんなパターンを繰り返してませんか?
先ほどちょっとだけ触れましたが、ストレスは我慢のし過ぎだとお話しましたね。
言いたいことを言えなくて我慢して、なおかつその後自分で自分を責めるわけですから、ダブルパンチをくらうわけです。
落ち込んでいる自分を自分で責める=ココロの二次災害
このパターンを私は上記のように表現しています。
そういったことを繰り返していると、人間関係でトラブルになったり、対人恐怖症やうつ病になったり、適応障害などになったりすることもあります。
カウンセリングを受けられる方の中には、言いたいことすらわからない方もおられます。
自分が何を考え、何を感じているのかわからない・・・
意見を言おうとすると頭が真っ白になり思考が停止したり・・・
この場合、後でお伝えしますがトラウマが影響しているケースもあります。
ポジティブループ
言いたいことが言えるようになるとこんなにも人生観が変わってきます。
ストレスが溜まりにくくなりますので、悩みがかなり軽減される。
自分が目指したい目標や願望を達成しやすくなるし、人間関係が円滑になっていくし、恋愛が上手くいきやすくなる。
そして何より自分らしく飾らずに生きていけるようになっていきます。
もちろん言い過ぎは禁物ですよ(笑)
どうですか?
ぜんぜん違うでしょ!
もしあなたがこれから、このループを手にしたとしたら今までとどんな違った人生が待っていると思いますか?
心理的な3つの要因
この悩みの要因を3つにわけて解説していきますね。
もちろん3つ以上の要因はありますが、私がよくカウンセリングで目の当たりにするケースをご紹介します。
①引き金となるトラウマの影響
②幼少期の親子関係の影響
③コミュニケーションスキル不足の影響
引き金となるトラウマが影響している
ここで言っているトラウマとは、いじめにあったり、パワハラにあったり、親友に裏切られたり、人間に酷いことをされた人生経験がある方ですね。
そういった経験をしていると、我々の心は自分を守るために精一杯になってしまいます。
守るということは、この悩みに照らし合わせると自分が嫌われることを極度に恐れてしまう。
その結果人に合わせ過ぎたり、自分の意見を言わなかったり、人と触れあうことを避けたり、人に流されやすくなってしまいます。
もっと酷くなると人前で極度に緊張したり、頭が真っ白になってしまい、恐怖で体が震えてしまったりすることもあります。
こういった状況ですから、混乱状態に陥ってしまい、言いたいことを言う前に自分が何を考えているのか、何を感じているのかもわからなくなってしまいます。
もうこなってくると日常生活にも支障をきたしてしまうレベルになってしまうかもしれませんね。
ちょっとオーバーですが、人間から酷いいじめを受け続けた犬ってどんな状態になるか見たことありますか?
だいたいの想像はつくと思いますが、この犬にご飯を与えようとすると犬小屋に引きこもって、人間の姿を見ると震えたり、反対に攻撃的になって威嚇をしたりするのは想像できると思います。
この状況だと警戒心が非常に強烈ですのでなかなか人間に心を開くのに時間がかかってしまうのは皆さんもご存知でしょう。
これは我々人間とて同じことです。
人間だって、人間に酷いことをされれば、人間に対してこの犬のように恐怖心を持ってしまいます。
人間に対して恐怖心を持ってしまったら、恐怖のあまり言いたいことなんて言えるはずがありません。
以前、20代男性の方でこんな相談を受けたことがあります。
男性「僕、制服姿の中高生の女子が怖いんです」
この男性は中学生のとき、制服姿の女子に酷過ぎるいじめに遭っていました。
彼の心には以下のことをインストールしてしまったんですね。
制服姿の女子=酷いいじめをしてくる=制服姿の女子は怖くて危険だ
全国の制服姿の女子からいじめられたわけではなく、ほんの一部の女子からいじめられた結果、彼の心はこのように誤認識してしまったんですね。
ですから、彼は街で制服姿の女子を見かけるたびにビクビクしていたそうです。
この誤認識こそがトラウマの怖さで、ある出来事を拡大認識してしまう性質があります。
しかし、誤認識してしまうほど想像を絶する酷いいじめを受けてきたことも事実です。
さっきの犬だってそうですよね。
すべての人間がその犬をいじめたわけではないのにこの犬は、すべての人間に対して恐怖心を持ってしまったのです。
トラウマに関しては詳しく解説している記事がありますのでそちらを参考にすることもできます。
幼少期の親子関係が影響している
そして心理的な要因のもう一つは、幼少期の親子関係が影響していると考えられます。
また幼少期の親子関係が原因である場合は、アダルトチルドレンの可能性もあります。
言いたいことが言うことができない方の中には、親の愛情不足が原因でそうなってしまう方も意外と多いと私は感じています。
親からの愛情が不足していると、その愛情を補うために無意識のうちに偽善者となってしまう可能性が高くなってしまいます。
深層心理的なお話をすると、人に嫌われてしまうと愛情を満たすことができなくなってしまうので、嫌われないように人に合せる態度になってしまい、自分の意見が言えなくなってしまう。
さらにそういったことを繰り返していると自分の感情や気持ちがよくわからなくなってしまうこともあります。
そうなってしまうと、自分が何を考え、何を感じ、何を想っているかわからなくなってしまいますので、結果として言葉を表現できなくなってしまいます。
もし幼少期の親子関係で親が子どもの考えや気持ち、感情に目を向けなかったとしたら、このパターンにはまってしまう可能性は大です。
コミュニケーションスキル不足
そして言いたいことが言えない要因としてコミュニケーションスキル不足が考えられます。
スキルとは・・・技能や能力のことを意味します。
私杉田も以前は言いたいことが言えずにすごく悩んでいた時期がありました。
情けないお話ですが、あるお店に行ったときなども店員さんに「すみません~」の一言が言えなくてモジモジしてしまったこともあったくらいです。
たったそれだけの一言も言えない・・・。
そんな自分ですから、仕事中にも言わなければいけないことを言えなくてよく怒られたこともありました。
そういったことが起こるたびに「なんて自分は情けない人間なんだ」って自分で自分を責めて落ち込んでいました。
こんな状況が毎日のように起こっているとめちゃくちゃストレスたまりますよね。
もう生きるのが嫌になっちゃいますよ。
しかし、あんな自分でしたが現在では完全に克服することができました。
だからといって、空気を読まずに言いたいことをすべて言っているわけではないですよ(笑)
もし皆さんが言いたいことを言いたい放題言っていたら、人間界は大変なことになってしまうでしょう。
コミュニケーションスキルは、ざっくり言うと3つあります。
①伝える技術
②聞く技術
③引き出す技術(質問)
ちなみに私は上手く伝えるのが苦手だったので、特に聞く技術をまずは磨きました。
これは私の経験から言えることですが、他人とのコミュニケーションも大事ですが、自分とのコミュニケーションもそれ以上に大切だと思っています。
この記事では触れませんが、自己受容ってやつです。
カウンセリングが進むにつれ自己受容が増していったことでコミュニケーション能力がアップして、初めて彼女ができた方もおられるくらいです。
参考なまでに自分が言いたいことを表現するために私がまず目につけたのはNLP(神経言語プログラミング)と自己受容でした。
心理的な恐怖心
言いたいことが言えない心理的な3つの要因を解説してきましたが、特にトラウマと幼少期の親子関係は以下の恐怖心が植え付けられる可能性があります。
- 自分が言いたいことを言ったら、嫌われてしまうのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、バカにされるのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、相手にされないのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、否定されるのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、場の空気が悪くなってしまうのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、怒られてしまうのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、笑われてしまうのではないか?
- 自分が言いたいことを言ったら、変に思われるのではないか?
上記のような恐怖心を無意識のうちに刷り込まれてしまったかもしれませんね。
あるいは恐怖心までいかないにしても、そのように思い込まされてしまった可能性もあります。
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